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'05 May ●サイケデリック吟遊詩人-DONOVAN | |
![]() DONOVAN | '05 February(Alternative rock'n soul)で僕がやや興奮ぎみに紹介したMAROON5の「Sunday Morning」が最近宮沢りえちゃん出演のTOYOTA VitzのCMソングとして毎日TVから流れてくる。CMの方は悲しくなるほど陳腐だが、曲はなかなかのインパクトだ。 このコラムを始めてからちょうど一年になるが、実のところ毎回テーマを見つけるのには少々苦労している。というのも、このTOYOTA Vitzのように曲が強い印象を残すCMが少ないのはしょうがないとしても、なにより楽曲をオリジナルで使用しているCMが本当に少ないのだ。(権利の問題やら営業的なことやらCM業界はいろいろあるのだ)この曲がオリジナルで使用されていたなら書きたいことは山ほどあるのにと思うばかりだ。 さて、今回はNISSAN ラフェスタ「カレイドスコープ」篇のDONOVAN「Sunshine Superman」。もちろんオリジナルで聴かせてくれる。 DONOVAN(ドノヴァン)は60年代イギリスのサイケデリック吟遊詩人とでも言ったらいいだろうか、ヒッピームーヴメントを体験した人には懐かしい名前だろう。などと、過去の人のように言っては失礼だ。80年代はじめに一度活動を休止したものの、91年カムバック、現在も活動を続けている。 1965年の登場に際して、ドノヴァンは「イギリスのボブ・ディランへの回答」ともてはやされた。しかし、ディランの音楽が内省的なリアリズムであるのに対して、ドノヴァンはフラワーパワームーヴメントの理想主義を捕えており、それほどの共通点があるようには思えない。 彼は67年にはビートルズとともにインドへ行き、また映画「ブラザーサン・シスタームーン」の音楽を担当するなど、まさにヒッピームーヴメントを体現しているアーチストだといえよう。 現在も活動を続けているドノヴァンだが、やはり彼のキャリアの中で、60年代後半の作品が最も美しい。 そのサウンドはデビュー当時はアコースティックなフォーク・サウンドだったが、66年の「Sunshine Superman」の頃からロックに接近、その後サイケデリックの時流にのり、「メロー・イエロー」「バラバジャガ」「ハーディー・ガーディーマン」など、叙情的でミステリアスな独自の世界を確立していく。 特にこの「Sunshine Superman」によって「イギリスのボブ・ディラン」的ラベルを完全に回避し、その後のトリップ感覚の世界とエレクトリックなフォークロックサウンドを切り開いた、ドノヴァンにとっては大きな転換のきっかけとなった曲だ。 |
≪Main Albums≫ | |
![]() Sunshine Superman 1966 Epic | ≪Sunshine Superman≫ エピックと契約後最初にリリースしたアルバム。感傷的な印象の前作からの突破口となった。 タイトル・トラック「Sunshine Superman」は次作「Mellow Yellow」とともに、イギリス、アメリカ両チャートで首位を獲得した。 「Sunshine Superman」のギターは当時スタジオ・ミュージシャンだったジミー・ペイジ。 |
![]() Mellow Yellow 1967 Epic | ≪Mellow Yellow≫ 「Sunshine Superman」に続きミッキー・モスト プロデュースによる第2作。 ドラッグ体験を歌うなど、サイケデリックかつ叙情的な作品。 タイトル曲にはポール・マッカートニーが参加している。 |
![]() A Gift from a Flower To Garden 1967 Collector's Choice Music | ≪A Gift from a Flower To Garden≫ 2枚組としてリリースされた大作。 当時影響をうけていたインド哲学など、思想的な印象が強い作品のため、歌詞は抽象的でかなり難解だ。 ジャック・ブルースがゲスト参加。 |
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