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'05 June ●わたしを野球に連れてって | |
いきなりでなんだけど、僕は野球が大好きだ。2月のキャンプインの頃に決まって使われる「球春」という言葉を聞くとわくわくする。日本でも野球場は楽しいところだが、やはりアメリカのボールパークの雰囲気は格別だ。特に晴れた日曜日、デーゲームの試合前「Sunday in New York」が流れるヤンキースタジアムでホットドッグとビールを手にスタンドに座って周りの人々を眺めていると、世の中に悲しいことなんてなんにもないという気にさえなってしまう。 イチロー選手が出演している日興コーディアル証券のTVCMのBGMはメジャーリーガー、イチローに相応しくTake Me Out to the Ballgame(わたしを野球に連れてって)。メジャーリーグの試合で7回の表と裏の間のセブンス・イニング・ストレッチのときにみんなで歌うお馴染みの歌だ。 このアメリカ野球の象徴的歌の誕生は1927年。作詞 Jack Norworth(1879-1959)、作曲 Albert Von Tilzer(1978-1956)。 ボードヴィリアンでソングライターのジャック・ノースワースはマンハッタン行きの列車の中で、紙の切れ端にこの歌の歌詞を書いた。そしてその紙の切れ端を作曲者のアルバート・フォン・ティルツァーに渡して、1908年York Music Companyが発表し、このヒットソングが生まれた。アメリカ中のほぼすべての球場で、100年近くたった今も歌われるクラッシック誕生に費やされた時間は列車の中のわずか15分だったのだ。 1927年にはジャック・ノースワースは歌詞を一部変更したが、野球の暦にはオリジナル、新バージョンの両方が誇らしげに記載されているという。 さすがに「野球の国歌」と言われるだけあって大変多くのシンガーが歌っている。どれくらいのバージョンがあるかAMGで調べてみたら、実に187!フランク・シナトラからカーリー・サイモン、なんとフランク・ザッパにミッキーマウスまで。TV朝日「報道ステーション」のメジャーリーグコーナーのBGMはDr.Johnのヴァージョンだが、ブギウギピアノがDr.Johnらしい。 個性的なミュージシャン達がどんなアレンジで演奏しているのかかなり気になるところだ。 |
![]() Baseball:the American Epic 1994 Electra/Nonesuch | 野球をテーマにしたオムニバス・アルバムはたくさんあるが、参加ミュージシャンの多彩さでこのアルバムは相当楽しめる。 まず、”Take Me Out to the Ballgame”ではKing Curtis、Carly Simon、他には”Pound Cake”Lester Young、”The New Black and Tan”Duke Ellington、”Did You See Jackie Robinson Hit That Ball?”Natalie Cole、”The Star Spangled Banner”Brafotd Marsalis ・・・と、新旧ジャズミュージシャンなど、雰囲気たっぷりだ。 |
![]() That's Entertainment! The Ultimate Ansorogy of MGM Musicals ![]() Duets&Rarities:The Golden Collection | フランク・シナトラは野球がテーマのオムニバス盤ではなく、自身のアルバムに何度もTake Me Out to the Ballgameを録音している。さすが国民的歌手だ。 「That's Entertainment!」ではドリス・デイと、「Duets&Rarities」ではジーン・ケリーとデュエットしているし、もちろんソロで歌っているものもある。 |
![]() You Can't Do That on Stage Anymore, Vol. 4 1991 Rykodisc | さて、極めつけはフランク・ザッパ。このロック界の偉人にして異端児がTake Me out to the Ballgameをライブで演っている!はてさて、どんなことになっているのやら。 これはザッパの集大成ともいうべきライブアルバム6枚シリーズの4枚目。 |
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