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'05 July ●グッドタイム・ミュージック-The Lovin' Spoonful | |
久しぶりにTV-CMの音楽を聴いて懐かしい気分になった。大和證券グループの企業広告The Lovin'Spoonfulの「Day Dream」。この曲は1966年の彼らのヒットナンバーだが、古い曲だから懐かしいというばかりではなく、曲そのものに気持ちを暖かくさせてくれるものがある。彼らのサウンドを「1月を6月に変える」(6月は日本は梅雨だがニューヨークは1年で1番爽やかな季節と言われている)と評した記事をどこかで読んだが、まさにそんなサウンドだ。 ラヴィン・スプーンフルというバンド名は今となってはそれほど記憶に残ってはいないかもしれないが、ジョン・セバスチャンが在籍していたバンドというと思い出す人も多いのではないだろうか。 ![]() ニューヨーク、グリニッジ・ヴィレッジはボブ・ディランを排出したフォークシーンが生まれた場所だが、60年代中頃にはそれに続く音楽シーンが存在した。その中心にいたのがラヴィン・スプーンフルだ。 65年にジョン・セバスチャンを中心に結成されたこのフォーク・ロックバンドは、アメリカのルーツ・ミュージック(フォーク、ブルース、カントリー、ジャグなど)を取り入れた甘く暖かいサウンドで、いきなり立て続けにヒットを放つ。「Day Dream」は66年にチャート2位のヒットとなった。しかしメンバーの麻薬所持による逮捕などで、結局活動はわずか3年余りとなってしまう。 アメリカのルーツミュージックをミックスした音楽のことを「グッドタイム・ミュージック」と呼ぶ。マリア・マルダー、ジェフ・マルダー、ダン・ヒックスなどはジャグを多く取り入れたサウンドで今も人気が高い。昨年来日したジェフ・マルダーのライブは本当に楽しいものだった。 ジョン・セバスチャンは学生時代にマリア・マルダーらとともにジャグ・バンドを結成しており、その活動がラヴィン・スプーンフルからウッドストックへの流れにつながっているのだろう。 聴く者を幸せな気分にさせてくれる、古くて新しい、"グッドタイム・ミュージック"だ。 *ジャグとは水差しのような大きな瓶のこと。瓶や桶を叩いてパーカッションにしたり、洗濯板やカズー、フィドル、バンジョーなどを用いた音楽。19世紀後半から20世紀初頭に演奏された。 |
≪The Lovin' Spoonful Main Albunms≫ | |
![]() | Do You Believe in Magic (1965/Kama Sutra) 記念すべきデビューアルバム。 タイトル曲『Do You Believe in Magic』がいきなりヒットチャートの9位にランクインした。 |
![]() | Daydream (1966/Kama Sutra) このセカンドアルバムからは『Daydream』『You Didn't Have To Be So Nice』と立て続けにシングルヒットが生まれた。 |
![]() | Hums of The Lovin' Spoonful (1966/Kama Sutra) 初のチャートトップを飾った『Summer in The City』他、トップ10入りした『Rain on The Roof』『Nashville Cats』を収録。 |
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